何mまで大丈夫?小型・中型・大型トラックの車両区分別の積載可能な荷物の高さとは?

何mまで大丈夫?小型・中型・大型トラックの車両区分別の積載可能な荷物の高さとは?

荷台部分を囲ったアルミバンやウィングボディなどは荷室の高さまでしか荷物を積載できませんが、荷台上部が解放された平ボディは物理的にはどんなに高さのある荷物でも積載可能となります。しかし、国内の公道を走行するトラックは道路法(車両制限令)で定める「高さ制限」を遵守しながら走行することが義務付けられているため、積み荷の高さが一定の高さを上まわらないようにする必要があります。トラックの荷台地上高は車両区分によって大きく異なるため、ひと口に「トラックに積載可能な荷物の高さは何メートルまで」と表すことができませんので、道路法(車両制限令)の高さ制限について各車両区分ごとの積載可能な荷物の高さを紹介します。

積み荷の高さには要注意!積み荷の高さを規制する高さ制限とは?

積み荷の高さには要注意!積み荷の高さを規制する高さ制限とは?
国内の公道では道路交通法や道路法(車両制限令)に定める規定を順守しながら走行することが、公道の走行車両全てに義務付けられています。道路交通法では走行速度を始めとする公道走行に関するさまざまな条件が規定されていますが、公道を走行する車両の高さに関しては道路法で規制されています。

車両の高さではトラックの車体全高も規制されますが、荷台に積載する荷物の高さも規制されており一般的に「高さ制限」と呼ばれています。

高さ制限には3つの段階が存在する

道路法では公道を走行する車両の高さを3.8メートルまでに制限していましたが、2004年の法改正によって高さ指定道路(道路管理者が道路の構造の保全及び交通の危険の防止上支障がないと認めて指定した道路)に限り高さ制限の規制緩和が行われました。

規制緩和によって高さ制限が緩和された高さ指定道路に関しては車両の高さ制限は4.1メートルとなりましたが、高さ制限を超過するものを運ぶ場合は所定の手続きを行うことで4.3メートルまでの高さの車両は公道を走行することが許可されます。

国内の公道では車両の高さ制限に次の3つの段階が共存していると言えます。

■高さ制限
・一般公道:3.8メートル
・高さ指定道路:4.1メートル
・所定手続きを行った場合:4.3メートル

高さ制限違反回避には車両区分ごとの荷台地上高を掴むのが効果的

高さ制限違反回避には車両区分ごとの荷台地上高を掴むのが効果的
道路法(車両制限令)によって国内の公道では車両の高さが制限されており、トラックの荷台に積載する荷物に関しても高さ制限が適用されます。しかしトラックの荷台は車両区分・メーカー・モデル・ボディタイプなどで大きく異なるため、トラックの積み荷が高さ制限に抵触しないためにはトラックに積載可能な積み荷の高さを掴んでおく必要があります。

小型トラックの積載可能高さの目安

小型クラスのトラックは装着するタイヤサイズが小型であることから荷台の地上高は各クラスの中で最も低い傾向にありますが、背の高い荷物を積載する場合は道路法で定める高さ制限に抵触する可能性があるので注意が必要です。

小型トラックには荷台の地上高が異なる高床・低床などが存在し、ボディタイプ別の積載可能な荷物の高さの目安は次のとおりです。

ボディタイプ 荷台地上高 積載可能な荷物高
高床タイプ 1,000mm前後 2,800mm未満
低床タイプ 880mm前後 2,900mm未満

中型トラックの積載可能高さの目安

使い勝手の良さから多くのフィールドで活躍する中型トラックには、非常に多くのモデルやボディタイプが存在します。小型クラスより装着するタイヤのサイズが大きくなりますが、4トン車のボディタイプ別の積載可能な荷物の高さの目安は次のとおりです。

ボディタイプ 荷台地上高 積載可能な荷物高
高床タイプ 1,000mm前後 2,800mm未満
低床タイプ 850mm前後 2,950mm未満
超低床タイプ 750mm前後満 3,000mm未満

大型トラックの積載可能高さの目安

一度に大量の荷物を積載することができるのが魅力の大型トラックですが、装着するタイヤのサイズも大型となるため荷台の地上高が高くなる傾向にあります。しかし低床タイプや超低床タイプなどのボディバリエーションによって荷台の地上高を抑えたものが存在します。

大型クラスの10トントラックのボディタイプ別の積載可能な荷物の高さの目安は次のとおりです。

ボディタイプ 荷台地上高 積載可能な荷物高
高床タイプ 1,400mm前後 2,400mm未満
低床タイプ 950mm前後 2,850mm未満
超低床タイプ 850mm前後満 2,950mm未満

 

高さ制限を超過した場合に生じる罰則は?

高さ制限を超過した場合に生じる罰則は?
一般公道3.8メートル・高さ指定道路4.1メートル・所定手続きを行うと4.3メートルが道路法で定める積み荷を含めた車両の高さ制限となりますが、仮にこれらの高さ制限に抵触した場合にはどのような罰則規定が適用されるのかが気になります。

高さ制限違反には違反点数と罰金が科せられる

公道を走行する車両の積み荷を含めた高さを規制しているのは道路法ですので、高さ制限に抵触した場合は道路法違反として処罰されると共に、道路交通法でも処罰の対象となります。

道路法の高さ制限違反に対しては「100万円以下の罰金」が科せられます。

道路法第104条第1項
車両の幅、長さ、高さ、重さ、最小回転半径などで制限を超える車両を道路管理者の許可なく通行させた者、または許可条件に違反して通行させた者は100万円以下の罰金

また道路交通法違反として免許証の違反点数が1点加算されます。

道路交通法施行令第22条
ハ、高さ 3.8メートル(大型自動二輪車、普通自動二輪車及び小型特殊自動車にあつては2メートル、三輪の普通自動車並びにその他の普通自動車で車体及び原動機の大きさを基準として内閣府令で定めるものにあつては2.5メートル、その他の自動車で公安委員会が道路又は交通の状況により支障がないと認めて定めるものにあつては3.8メートル以上4.1メートルを超えない範囲内において公安委員会が定める高さ)からその自動車の積載をする場所の高さを減じたもの
警視庁行政処分基準
積載物大きさ制限超過違反の罰則
【行政処分】基礎点数1点(過去の点数が残ってる方や行政処分歴がある方は注意)酒気帯びの場合:0.25mg/l以上は25点、0.25mg/l未満は14点

高さ制限を超過する積み荷を運送する方法

高さ制限を超過する積み荷を運送する方法
トラックの荷台に積載する荷物の高さを含めた車両の高さが道路法で制限されるため、トラックに積載可能な荷物の高さもおのずと制限されてしまいます。一般公道の3.8メートルや高さ指定道路4.1メートルの高さ制限を超過する荷物を積載する場合は、所定の手続きを行うことで4.3メートルまで高さ制限の緩和が行われます。

積み込み高さ4.3mまでの積み荷を運ぶ際に必要な手続き

トラックに積載すると3.8メートルや4.1メートルの高さ制限に抵触する荷物を運ぶ場合は、「制限外積載許可」の手続きを行う必要があります。制限外積載許可を受けると高さ制限が緩和され、積み込み時の高さが4.3メートルまでの荷物を積載した状態でも公道の走行が可能となります。

制限外積載許可の手続きは出発地を管轄する警察署で行い、許可申請には次に挙げる書類が必要となります。

■必要書類
・制限外積載許可申請書
・特殊車両通行許可証
・車検証の写し
・出発地から目的地への経路図
・積み込み時の荷姿図
・車両を運転するドライバーの免許証の写し

「特殊車両通行許可制度」は道路法、「制限外許可制度」は道路交通法が適用されることから必要書類の特殊車両通行許可証については「申請受付時に許可証の添付を求めないこと」が平成19年11月29日の警察庁から各都道府県警察本部に対し通達されています。

しかし制限外積載許可の手続きは申請する警察によって独自のルールが存在する傾向にあるため、申請前に事前に出発地を管轄する警察に問い合わせを行い申請時の必要書類などを確認することをおすすめします。

積み込み高さ4.3m以上の積み荷を運ぶ際に必要な手続き

現在の国内法では制限外積載許可申請による高さ制限の規制緩和は4.3メートルまでとなっているため、残念ながら4.3メートルを超過する高さで荷物を積載することができません。

トラックの荷台に積載できる荷物は積載時の高さが4.3メートルを超過しないようにする必要がありますので、高さのある荷物を積載する場合は、荷台の地上高と積載する荷物の高さをシビアに計測する必要があります。

中古トラック購入時には車両の荷台高さの確認も重要

中古トラック購入時には車両の荷台高さの確認も重要
トラックの荷台は高床や低床、中型クラス以上のトラックの場合は超低床などのタイプが存在し、地上高が異なります。荷台の地上高が低いトラックは荷物の積み下ろしの作業性が高いのと共に高さのある荷物を積載できるというメリットも併せ持っていると言えるでしょう。

中古トラック購入時にはトラックのボディタイプや最大積載量、年式や搭載機能に目が行きがちですが、特に平ボディトラックの選択時には高さ制限を視野に入れ「荷台の地上高」にも注目して車両選択を行うのも車両選択の重要ポイントだと言えるでしょう。

中古トラック販売店なら荷台地上高を実感しながら車両を選べる

中古トラック販売店は注文から納車までの期間が短いや予算に合わせた車両選択が行いやすいというメリットと共に、さまざまなタイプのトラックを実際に触れながら車両選択が行えるのも大きな魅力だと言えるでしょう。

また中古トラック市場にはさまざまなタイプのトラックが流入しており、中古トラック販売店で取り扱われる車両はバラエティに富んでいるため、荷台地上高が低く高さのある荷物を積載するのに適した車両も多数存在します。

予算に合わせ高さのある荷物の積載に対応できる車両を選択し、短納期で導入できる中古トラック販売店を利用して導入することで高さのある荷物の運送に対応することができればビジネスチャンスを逃すことなくしっかりと掴めるのではないでしょうか?

まとめ

物理的に積み荷の高さの制限を受けない平ボディトラックですが、公道を走行して運送する際には道路法(車両制限令)の高さ制限によって荷物を積載できる高さが制限されます。

高さのある荷物を積載する際には次の3つの高さ制限を意識しながら、高さ制限に抵触しないように十分気を付けるようにして下さい。

  • 一般公道の高さ制限は3.8メートル
  • 高さ指定道路の高さ制限は4.1メートル
  • 制限外積載許可を受けた場合の高さ制限は4.3メートル