大型ダンプ(10トンダンプ)寸法・積載を解説!中古の人気メーカーも紹介
大型ダンプ(10トンダンプ)は、大量の土砂や資材を一度に運搬できる建設現場の必需品です。効率的な作業を支える一方で、寸法や積載量、メーカーごとの特徴を理解しておくことが導入や購入の判断に欠かせません。
本記事では、大型ダンプの基礎知識から寸法と積載量、主要メーカーや上物メーカー、中古購入のポイントまでわかりやすく解説します。
目次
大型ダンプとは?(基礎知識)
大型ダンプは、正式には「大型ダンプトラック」と呼ばれ、最大積載量が10トン前後のダンプカーを指します。一般的には「10トンダンプ」と呼ばれることが多く、日本国内の工事現場で最も多く利用されるサイズです。
特徴としては、大量輸送が可能で効率性が高いことに加え、道路交通法で定められた寸法や重量の制限を満たしているため、高速道路や一般道路の走行も可能です。
そのため、土木工事、道路工事、造成工事、産廃運搬など、幅広い現場で活躍しています。
一方で、小型ダンプに比べて車体サイズが大きく取り回しが難しいため、運転には高度な技術が求められます。運転できるのは大型免許を所持したドライバーに限られ、過積載や積載物の種類についても法律上の規制があります。
大型ダンプ(10トンダンプ)車両寸法【全長・全幅・全高】
10トンクラスの大型ダンプの標準的なサイズは、法律で定められた規格内で製造されており、一般道路や高速道路を安全に走行できるように規格が統一されています。
「10トンダンプ」と呼ばれる車両寸法の目安は、次のとおりです。
項目 | 寸法の目安 | 補足 |
全長 | 7.0〜11.9m | 車両制限令で12m未満に規定 |
全幅 | 2.49m | 法律上の最大幅は2.5m |
全高 | 約3.4m | 積載物や上物の仕様により変動 |
ホイールベース | 4.3〜5.5m | 安定性・小回り性能に影響 |
また、標準的なボディより荷台の長さが長いロングダンプや、室内高を確保したハイルーフ仕様のキャビンも存在します。狭い工事現場などでの取り回しを考慮する際は、最小回転半径も確認すべき項目の一つです。
大型ダンプの積載量はどのくらい?最大積載量と荷台寸法
大型ダンプの最大積載量は、車両総重量から車両重量と乗員定員分の重量を差し引いて算出されます。
一般的に「10トンダンプ」と呼ばれますが、実際の最大積載量は10トン前後であり、車両の仕様によって8トン台から10トンを超えるものまで様々です。
積載量を計算する際には、荷台の容量も重要な指標となり、その単位には立米(りゅうべい、㎥)が用いられます。
荷台の内寸(長さ・幅・高さ)によって容量が決定されるため、軽量でかさばる積荷を運ぶ場合は、最大積載量だけでなく荷台の寸法も確認する必要があります。積載物の比重によっては、荷台を満載にすると過積載になる可能性もあるため注意が必要です。
主要メーカー4社の特徴を比較
大型ダンプを選ぶ際は、国内の主要トラックメーカー4社の特徴を比較検討することが有効です。各社それぞれに強みがあり、燃費性能や耐久性、運転のしやすさなどが異なります。
ここでは、代表的な4メーカーの特徴を解説します。
【いすゞ ギガ】燃費性能と耐久性に優れたモデル
(引用元:いすゞ)
いすゞ自動車が製造する大型ダンプ「ギガ」は、優れた燃費性能と高い耐久性で知られています。運送コストを大きく左右する燃料費を抑えられる燃費の良さは、多くの事業者にとって大きな魅力です。
エンジンは低回転域から高いトルクを発生させる設計で、積載時でも力強い走りを実現します。
また、過酷な使用環境を想定した堅牢な車体構造は、長期間にわたる運用においても高い信頼性を発揮します。ドライバーの疲労を軽減する快適なキャビンも特徴で、経済性と耐久性、快適性を高いレベルで両立させていることから、いすゞのギガは中古市場でも根強い人気を誇るモデルです。
【日野 プロフィア】安全性能と運転のしやすさが魅力
(画像引用元:日野)
日野自動車の「日野プロフィア」をベースとした大型ダンプは、先進的な安全性能とドライバー目線の運転のしやすさで高い評価を得ています。衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱警報といった安全支援システムを積極的に採用しており、万が一の事故リスクを低減します。
また、広く設計されたフロントガラスや視認性の高いミラー配置により、死角を減らし、安全確認が容易です。操作系のスイッチ類も機能的に配置され、ドライバーが運転に集中できる環境を提供します。
両立された安全性と快適な操作性が、プロフィアの魅力です。
【三菱ふそう スーパーグレート】力強い走りと豊富なバリエーション
(引用元:三菱ふそう)
三菱ふそうの「スーパーグレート」は、パワフルなエンジンによる力強い走行性能が最大の特徴です。高出力のエンジンは、重い積荷を載せた状態での坂道や不整地といった厳しい条件下でも余裕のある走りを提供します。この登坂性能と悪路走破性の高さは、山間部の工事現場などで特に重宝されます。
また、使用用途に合わせて選べる豊富なシャシーバリエーションも魅力の一つで、様々な現場のニーズに対応可能です。三菱ふそうのスーパーグレートは、その力強さと信頼性から、過酷な環境での使用を想定するユーザーを中心に中古市場でも高い人気を維持しています。
【UDトラックス クオン】快適な乗り心地と先進技術を搭載
(引用元:UDトラックス)
UDトラックスの「クオン」は、ドライバーの負担を軽減する快適な乗り心地と、先進技術の搭載が特徴の大型ダンプです。
特に評価が高いのは、電子制御式オートマチックトランスミッション(ATミッション)の「ESCOT(エスコット)」で、クラッチ操作を不要とし、スムーズで最適なギアチェンジを自動でおこないます。長時間の運転による疲労を軽減する高性能なシートも標準装備です。
また、排気量を最適化しつつ、パワフルさと優れた燃料効率を両立したエンジンも搭載しており、経済性にも配慮されています。クオンは、こうしたATミッションや快適なシートなどにより、運転の快適性を重視するユーザーから中古市場で選ばれています。
荷台部分を作る「上物メーカー」もチェックしておこう
大型ダンプを選ぶ際には、エンジンやシャシーを製造する車両メーカーだけでなく、荷台部分である「上物」を製造するメーカーにも注目する必要があります。ダンプの使い勝手や耐久性は、この上物メーカーの技術力に大きく左右されるためです。
荷台の側面を開閉する「アオリ」の構造や、荷台を昇降させる油圧シリンダーといった部品の品質は、日々の作業効率や安全性に直結します。中古車を検討する際も、シャシーの状態と合わせて、どのメーカーの上物が架装されているかを確認することは、車両選定における重要なポイントとなります。
国内トップシェアを誇る「極東開発工業」
極東開発工業は、ダンプの上物メーカーとして国内でトップクラスのシェアを誇ります。長年にわたって培われた技術と高い品質管理により、多くのユーザーから絶大な信頼を得ています。
同社のダンプボディは、過酷な使用環境にも耐えうる頑丈な構造が特徴です。特に、土砂などをスムーズに排出するためのテールゲートの設計や、堅牢なテールヒンジ部分は高く評価されています。
全国に広がるサービスネットワークも充実しており、万が一の故障や部品交換の際にも迅速な対応が期待できます。その信頼性の高さから、中古市場においても極東開発工業製の上物を架装した車両は人気があります。
高い技術力で知られる「新明和工業」
新明和工業は、極東開発工業と並ぶ代表的な上物メーカーであり、その高い技術力で知られています。
特に、荷台を傾ける際の安定性を高めるダンプ機構に定評があります。荷台の揺れを抑える独自のトラニオン構造などを採用し、安全かつ効率的な荷役作業を可能にしています。
また、軽量でありながら高い剛性を確保したボディ設計も特徴で、積載量の最大化と燃費性能の向上に貢献します。新明和工業の製品は、耐久性と操作性に優れており、細部にまでこだわった作りがプロのドライバーから高く評価されています。中古車を選ぶ際にも、新明和製の上物は信頼性の高い選択肢の一つです。
大型ダンプの購入は「新古車専科」へ
新古車専科では、お客様のニーズに合った大型ダンプを幅広く取り揃えております。専門知識を持ったスタッフが、各メーカーの特性や車両の状態、お客様の用途に合わせて最適な一台をご提案いたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。購入後のアフターサポートも充実しており、安心してご利用いただけます。
大型ダンプ(10トンダンプ)に関するよくある質問
大型ダンプの購入や運用を検討する際、よく寄せられる疑問点や注意点をまとめました。
大型ダンプを運転するのに必要な免許の種類は?
大型ダンプを運転するためには「大型自動車免許」が必要です。これは、車両総重量11トン以上、最大積載量6.5トン以上、乗車定員30人以上のいずれかに該当する車両を運転する際に求められる免許で、10トンクラスの大型ダンプもこの条件に当てはまります。
大型自動車免許の取得には、普通免許または中型免許を取得している必要があり、かつ満21歳以上で、普通免許などの取得から通算3年以上の運転経験が条件となります。
牽引装置を備えたダンプトレーラーを運転する場合は、さらに「牽引免許」も必要となりますのでご注意ください。
大型ダンプの車両を維持するためにかかる費用は?
大型ダンプの維持費用は、車両の大きさや使用目的(自家用か事業用か)によって大きく異なりますが、結論として年間150万〜300万円が目安です。主な費用としては、自動車税、自動車重量税、自賠責保険料、車検費用、燃料代、そしてメンテナンス費用などが挙げられます。
これらの費用は、事業用の方が自家用よりも安くなる傾向にあります。
例えば、10トンダンプの年間自動車税は、事業用で約43,600円、自家用で約59,400円です。
自賠責保険料は、事業用で12ヶ月あたり24,100円、自家用で18,230円となります。また、車検費用は大型トラックの場合、20万円以上かかることが一般的です。
これらの他にも、燃料代やタイヤ、オイルなどの消耗品代、修理費といった変動費用も発生するため、総合的に考慮する必要があります。エコカー減税対象の車両を選ぶことや、最大積載量を減らす「減トン」も維持費を抑える方法として考えられますが、それぞれメリット・デメリットを理解しておくことが重要です。
中古の大型ダンプを選ぶ際の注意点は?
中古の大型ダンプを選ぶ際は、走行距離や年式だけでなく、車両のメンテナンス履歴や荷台の状態を詳しく確認することが大切です。特にダンプ機能の要となる油圧装置やシリンダー部分に異音や油漏れがないか、実際に荷台を昇降させて動作確認をすることをおすすめします。
また、フレームやアオリ部分に大きな損傷や修復歴がないかも注意深くチェックしましょう。サビの発生具合も耐久性に影響するため、入念に確認してください。信頼できる販売店であれば、これらの情報を開示し、必要に応じて整備も行っているため、安心して選ぶことができます。
まとめ
大型ダンプの選定においては、全長や全幅といった車両寸法、法律で定められた最大積載量、そして荷台の容量を示す立米といった基本的なスペックの確認が不可欠です。
中古車を探す際は、これらの要素を比較検討することが、現場のニーズに合致した一台を見つけるための鍵となります。
中古トラック専門の販売店の新古車専科は、多様なメーカーや仕様の車両が揃っているため、専門家の助言を受けながら最適な一台を選ぶことができます。
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- 大型ダンプは「10トンダンプ」と呼ばれ、最大積載量は8〜11トンが目安
- 寸法は全長7〜11.9m、全幅2.49m、全高3.4m前後が一般的
- いすゞや日野などの車両本体を製造するシャシーメーカーと、極東開発工業や新明和工業といった荷台部分を製造する上物メーカー、それぞれの特徴を理解し、用途や予算に応じて総合的に判断する