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8トントラックとは?サイズ・積載量・総重量・免許・価格・レンタル

8トントラックとは、4トントラックをベースに積載量を増加させた「増トントラック」の一種です。
本記事では、8トントラックの具体的なサイズや積載量、運転に必要な免許、さらには新車・中古車・レンタルの価格相場まで解説します。

8トントラック(8トン車)とは?


8トントラックは、一般的に最大積載量が8トン前後のトラックを指します。これは、4トントラックの車体をベースに、車軸やフレーム、足回りなどを強化することで、積載量を増やした「増トン車」に分類されます。

増トン車は、2007年の道路交通法改正によって中型トラックの車両総重量の上限が11トン未満に引き上げられたことをきっかけに普及しました。これにより、大型トラックを新規で購入するよりも費用を抑えつつ、より多くの荷物を運べるようになりました。

8トントラックは、中型トラックの小回りの利く運転性能と、大型トラックに匹敵する積載量を両立している点が大きな特徴です。狭い道での走行や駐車が比較的容易でありながら、都市間輸送や重機運搬など、多様な用途に対応でき、汎用性も高いです。また、6トントラックも増トン車としてよく流通しており、これら増トン車は運送効率の向上に貢献しています。

8トントラックの運転に必要な免許

8トントラックの運転には、車両総重量が11トン以上、最大積載量が6.5トン以上の車両を運転できる「大型免許」が必要です。多くの8トントラックは車両総重量が13トンから15トンであるため、旧普通免許や中型免許(8トン限定)では運転できません。

大型免許を取得には、「21歳以上であること、かつ普通免許、準中型免許、中型免許、大型特殊免許のいずれかの免許を取得してから通算3年以上の運転経歴があること」が条件です。

大型免許の取得方法は、主に以下の3通りがあります。

1.自動車教習所に通う
2.合宿に参加する
3.一発試験(運転免許試験場で直接技能試験を受ける)

かかる費用と期間は、下記のとおりです。

1.教習所 2.合宿 3.一発試験
費用 約35万円~48万円 約17万円~30万円 38,650円/回
期間 約20日 最短14日 即日合格の可能性あり

一発試験は、費用が安価ですが、難易度が高く、何度も受験することになると結果的に費用がかさむ可能性もあります。

仕事で8トントラックを運転する予定がある場合は、費用、期間を考慮し、ご自身に合った方法で大型免許の取得を目指しましょう。

8トントラックの荷台の種類


8トントラックの荷台には様々な種類があり、それぞれ特徴や荷台寸法が異なります。代表的なタイプとして「ウイング車」「平ボディ車」「冷凍・冷蔵車」が挙げられます。

これらの荷台の種類によって、運搬できる荷物の種類や作業効率が大きく変わるため、用途に合った荷台を選んでください。

ウイング車

ウイング車は、箱型の荷台の側面が鳥の翼のように大きく開閉する特徴を持つトラックです。一般的なバンボディと異なり、後部だけでなく側面も大きく開くため、フォークリフトなどを用いて荷物を側面から積み降ろしできるのがメリットです。

特にパレット積みの工業製品や資材の輸送において、その効率性が発揮されます。雨風から荷物を保護できる点も強みです。ウイング車の寸法は、メーカーや車種、年式、架装によって多様です。

8トントラッククラスの中型のウイング車は、小型トラックに比べて一度に多くの荷物を運ぶことができ、輸送コストの削減に貢献します。運転の際は、開閉時のウイングの幅や高さに注意が必要です。

平ボディ車

平ボディ車は、屋根がなく、荷台の三方を囲む「あおり」と呼ばれる低い囲いがあるトラックです。そのシンプルな構造ゆえに、非常に高い汎用性を持ち合わせます。

足回りが強化されているため、小型トラックの平ボディよりも重い荷物の積載も可能であり、建設現場での建材や重機の運搬、農産物の輸送、引っ越しでの家具や大型家電の運搬など、多種多様な場面で活躍します。
屋根がないため、高さのある荷物でも積み込むことができ、クレーンやフォークリフトでの積み降ろしも容易です。

ただし、荷物がむき出しになるため、雨風の影響を受けやすく、積載物の落下防止対策を厳重におこなわなくてはなりません。ロープ固定の技術も求められます。
また、汎用性が高いがゆえに、過積載になりやすいため、積載量や荷台寸法を正確に把握し、安全な積載を心がけてください。

冷凍・冷蔵車

冷凍・冷蔵車は、荷台に冷却装置や断熱構造を備え、温度管理をしながら輸送できるトラックです。

主に生鮮食品、冷凍食品、医薬品、生花など、温度管理が不可欠な荷物を運ぶために使用します。
荷台内部は密閉された構造で、外気の影響を受けにくく、夏場でも一定の温度を保てます。くわえて、8トントラックの冷凍・冷蔵車は、荷室が広く大量輸送にも適するため、食品工場や物流センターからの大量出荷にも対応可能です。

冷却方式には、冷蔵機能のみの「チルド仕様」や、マイナス温度まで対応する「冷凍仕様」があり、用途に応じた選定が求められます。
さらに、断熱性能や床面構造、リアドアの開閉方式なども、運用方法に合わせた仕様を選べます。

ただし、冷却装置や断熱構造の重量により、平ボディやウイング車に比べて実際の積載量は少なくなります。また、冷凍機の稼働により燃料消費が増えるほか、定期的なメンテナンスも必要です。

8トントラック(8トン車)のサイズ(荷台寸法・積載量・総重量)


8トントラックのサイズや積載量は、メーカーや仕様によって異なります。ここでは代表的な4車種の、「車両寸法」「荷台寸法」「最大積載量」「車両総重量」の目安と「特徴」を一覧にまとめました。

【8トントラック(平ボディ)の主な車種と仕様一覧】※すべて平ボディを想定

メーカー 車種 車両寸法
(長×幅×高)
荷台寸法
(長×幅×高)
最大積載量 車両総重量 特徴
三菱ふそう ファイター 約8.7m × 2.3m × 2.5m 約6.2m × 2.2m × 0.4m 約7.8t 約13.5t 加速性に優れた走行性能と低床構造が魅力
いすゞ フォワード 約8.6m × 2.3m × 2.5m 約6.1m × 2.2m × 0.4m 約8.0t 約13.8t 耐久性と燃費性能に優れ、輸送業務で高評価
UDトラックス コンドル 約8.8m × 2.3m × 2.5m 約6.3m × 2.2m × 0.4m 約8.2t 約14.0t エンジンパワーと快適な運転性が特長
日野 日野・レンジャー 約8.7m × 2.3m × 2.5m 約6.2m × 2.2m × 0.4m 約7.9t 約13.6t 扱いやすく、増トン仕様の車両も豊富

8トントラックは、中型車をベースに積載能力を高めた「増トン車」として設計されており、車両総重量や全長も大型に近い水準となります。積載物や現場環境に応じて、適したサイズの車両を選ぶことが重要です。

三菱ふそう・ファイター


(引用元:三菱ふそう)

三菱ふそうのファイターは、1984年から活躍している8トントラックの代表的な車種の一つです。その名の通り「戦士」を意味するFighterを由来とし、前モデルのFKシリーズからFKやFMの型式が採用されています。

現行モデルの2代目からは、オートマチックトランスミッション「INOMAT」の採用やエクステリアの変更、排ガス規制への対応など、様々な改良が加えられました。

中古市場では、2013年式のアルミウイングが383万円、2005年式の平ボディが319万円など、様々なタイプや年式のファイターが流通しており、価格も多岐にわたります。オートマチックトランスミッション搭載車もあり、運転のしやすさも考慮された車種です。

いすゞ・フォワード


(引用元:いすゞ自動車)

いすゞ自動車が製造するフォワードは、海外ではFシリーズとして親しまれている人気の8トントラックです。その名前は「前進する」「促進する」という日本語の意味に由来しており、1970年代の初代モデルから改良が重ねられています。

2007年には5代目がいすゞ自動車より発売され、2023年8月29日には6代目(現行モデル)が発売されました。同社の小型トラックであるエルフと部品を共有していることも特徴です。

フォワードはウイング車やバン、冷凍冷蔵車など、多様な荷台のラインナップが揃っています。安全機能も充実しており、左右の白線をカメラで検知して警告する「車線逸脱警報(LDWS)」など、事故防止機能がドライバーから評価されています。

中古市場では、2019年式のアルミウイングが453万円、2017年式のダンプが価格要問合せなど、様々なタイプや年式のフォワードが流通しています。

UDトラックス・コンドル


(引用元:UDトラックス)

UDトラックスのコンドルは、鳥類のコンドルと、前々身会社のバス「民生コンドル号」に由来する名前を持つトラックです。

平ボディ(カーゴ)だけでなく、ユニック(クレーン付き)、セルフローダー、ダンプなど、多様な形状が展開されています。

2017年以降は、いすゞ自動車からのOEM供給で製造されています。中古市場では、2012年式の深ダンプが610万円、2017年式の平ボディが380万円など、様々なコンドルが取引されています。5トン積載のコンドルも存在し、幅広い積載ニーズに対応しています。

日野・レンジャー


(引用元:日野自動車)

日野自動車が製造するレンジャーは、1964年の初代から改良が重ねられてきました。海外では500シリーズとして知られ、インドネシアでの新型500シリーズの発表も話題となりました。

レンジャーという名前は公募で決定され、「常に進化してお客様の期待に応え、利益を上げる」という願いが込められています。
また、1991年以降、特別車両がダカールラリーに参戦していることでも知られています。

中古市場では、6トン車や8トン車のレンジャーが多数流通しており、2016年式のダンプが716万円、2020年式の平ボディが937万円と、様々な価格帯で取引されています。

8トントラック新車・中古車価格


8トントラックの購入を検討する際、新車と中古車では価格が大きく異なります。それぞれの価格帯と特徴を理解しておくことが重要です。

新車8トントラック価格

新車の8トントラックは、ボディ形状やメーカー、オプションによって価格差があります。
以下は、代表的なボディタイプごとのおおよその新車価格相場です。

ボディタイプ 新車価格帯(税抜)
平ボディ 約1,100万~1,300万円
ウイング車 約1,300万~1,600万円
冷凍・冷蔵車 約1,400万~1,700万円

8トントラックは「増トントラック」に分類されるため、三菱ふそう、いすゞ自動車、日野自動車、UDトラックスといった主要メーカーの公式サイトには、明確な新車価格が明記されていないことがほとんどです。
具体的な価格を知るためには、各メーカーに見積もりを依頼する必要があります。車両の仕様や荷台の種類、オプション装備などによって価格は変動するため、希望する条件を明確にしてから問い合わせましょう。

中古車8トントラック価格

中古車の価格は、車両の年式・走行距離・ボディタイプによって大きく異なります。
以下は、走行距離と年式ごとの平均的な相場をボディ別にまとめました。

年式/走行距離 平ボディ ウイング車 冷凍・冷蔵車
5年落ち/5万km未満 約650万~800万円 約800万~1,000万円 約850万~1,100万円
8年落ち/10万km前後 約400万~600万円 約600万~800万円 約650万~900万円
10年以上/15万km超 約250万~450万円 約400万~600万円 約500万~750万円

※掲載価格は参考相場です。

中古車の価格は、メーカー、年式、走行距離、車両の状態、荷台の種類(平ボディ、ウイングなど)、装備、修復歴の有無など、様々な要因によって大きく変動します。

購入時期も重要で、8月は企業の決算期と重なるため、状態の良いトラックが市場に多く流通し、販売価格が安くなる傾向があると言われています。

中古車を購入する際は、現車確認を徹底し、車両の状態を十分にチェックすることが大切です。また、信頼できる販売店を選ぶと、後々のトラブルを避けられます。

8トントラックのレンタル価格

8トントラックのレンタルは、一時的な利用や購入前の試用を検討している場合に便利な選択肢です。

レンタル価格の相場を下記にまとめました。

ボディタイプ 1日あたりのレンタル料 1ヶ月レンタル料(概算)
平ボディ 約2.5万~3.5万円 約50万~70万円
ウイング車 約3万~4万円 約60万~80万円
冷凍・冷蔵車 約3.5万~5万円 約70万~90万円

この価格はあくまで目安であり、メーカー、年式、トラックの種類、レンタル期間、利用するレンタカー会社によって変動します。

ただし、8トントラックのレンタルは市場での流通が比較的少ない傾向にあります。これは、8トントラックの運転に大型免許が必要で、レンタル需要が大型トラックほど多くないことが理由として挙げられます。

短期的な利用であればレンタルが有効ですが、継続的にトラックを業務で使用する可能性が高い場合は、初期費用を抑えられる中古車の購入を検討した方が、長期的に見てコストパフォーマンスが高いです。
緊急の輸送や、特定の期間だけ積載量の多いトラックが必要な場合など、状況に応じてレンタルを検討してください。

その他サイズのトラック寸法(2トン・4トン・10トン)


8トントラック以外にも、積載量に応じた様々なサイズのトラックが存在します。これらのトラックは、小型、中型、大型に分類され、それぞれ車両寸法、荷台寸法、積載量、車両総重量、そして運転に必要な免許が異なります。

小型トラック(2トン・3トン)

小型トラックは、車両総重量が7.5トン未満で、積載量はおおよそ2〜3トンです。コンパクトで小回りが利くため、都市部や狭い路地での配送業務に適します。

【寸法の目安】
車両全長:4.7〜5.5m前後
荷台寸法:3.1〜3.4m × 1.6〜1.8m
最大積載量:2〜3トン

【特徴】
普通免許または準中型免許で運転可能
コンビニ配送、引っ越し、軽建材の運搬などで活躍
積載量は限られるが、使い勝手は非常に良い

中型トラック(4トン)

中型トラック(4トン)は、車両総重量が5トン以上11トン未満、最大積載量が3トン以上6.5トン未満のものが該当します。

【寸法の目安】
車両全長:約6.5〜8.5m
荷台寸法:4.3〜6.2m × 2.1〜2.2m
最大積載量:3〜4トン(増トン仕様で6トン超もあり)

【特徴】
中型免許が必要(8t限定は条件あり)
物流・建材・農業・引っ越しなど幅広く対応
高速道路の通行料金や維持費も比較的抑えられる

大型トラック(10トン)

大型トラック(10トン)は、車両総重量が11トン以上、最大積載量が6.5トン以上のものが該当します。

【寸法の目安】
車両全長:約11.5〜12m
荷台寸法:9.0〜9.6m × 2.3m
最大積載量:約10トン

【特徴】
大型免許が必須
高速道路や広い工場や倉庫への輸送に向く
8トントラックよりもさらに大きく、取り回しに注意が必要

各サイズのトラックは、それぞれの用途や運転免許、燃費、価格、中古市場での流通状況などを考慮して選ぶ必要があります。
ご自身の事業内容や運搬する荷物の種類、走行する道路環境に合わせて最適な車種を選ぶことが、効率的な運用とコスト削減のコツです。

8トントラックについてよくある質問


8トントラックに関して、よくある質問をまとめました。

8トントラックは、普通免許や中型免許で運転できる?

普通免許や中型免許では原則運転できません。
8トントラックは、最大積載量が6.5トンを超えることがほとんどのため、大型免許が必要です。
一部の中型トラックをベースにした「増トン仕様」であっても、積載量が規定を超えていれば中型免許では対応できません。

2007年6月1日以降に免許を取得した方は、8トン限定免許を持っていても8トントラックは運転できない可能性が高いため、免許証の条件欄を必ず確認してください。

参考までに、免許ごとの運転可能なトラックの区分は下記のとおりです。

免許区分 最大積載量 車両総重量 乗車定員
準中型免許 ~4.5トン未満 ~7.5トン未満 ~10人
中型免許(8t限定含む) ~6.5トン未満 ~11トン未満 ~29人
大型免許 6.5トン以上 11トン以上 30人以上

積載量は本当に8トンなの?

8トントラックの「8トン」は、最大積載量の目安で、車両によって若干異なります。車種や架装の仕様によっては、約7.5トン〜8.2トンの幅があります。

また、冷凍冷蔵車やウイング車のように構造が重くなる車両では、冷却機や架装装置の重量が加わるため、実際の積載量は7トン台に収まることもあります。

「8トントラック=必ず8.0トン積める」とは限りません。車両総重量や車検証の記載内容を確認してください。

特定のメーカーの車種の詳しい寸法を知りたい

各メーカーでは、公式サイトやカタログで詳細な寸法や仕様を公開しています。
また、新古車専科をはじめとするトラック販売サイトでは、架装済み車両の実寸や荷台仕様が記載されています。ぜひご確認ください。
<気になる車種の寸法を確認する>https://shinkosenka.com/car
本記事内でも以下の代表車種について、平ボディ仕様での寸法や積載量をまとめているため、合わせてご確認ください。

・三菱ふそう・ファイター
・いすゞ・フォワード
・UDトラックス・コンドル
・日野・レンジャー

まとめ


8トントラックは、4トントラックをベースに積載量を増やした「増トントラック」であり、中型トラックの取り回しの良さと大型トラックに近い積載量を兼ね備えた利便性の高い車両です。その運用には、車両総重量が11トン以上、最大積載量が6.5トン以上のトラックを運転できる「大型免許」が必須です。
購入やレンタル、免許取得を検討する際は、これらの情報を参考に、ご自身のニーズに合った最適な選択をしてください。

  • 主な荷台の種類は、「平ボディ」「ウイング車」「冷凍・冷蔵車」などがあり、それぞれ荷台寸法が異なる
  • 代表的な車種は、三菱ふそうのファイター、いすゞのフォワード、UDトラックスのコンドル、日野のレンジャーがある
  • 新車の8トントラックは1,000万円以上が目安、中古車であれば200万円台から購入できるケースもある
  • レンタルの場合は、1日あたり約2万5000円が相場ですが、市場での流通は限られている

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