貨物自動車(営業用・自家用)とは?トラックサイズ別の自動車税の年間一覧表


貨物自動車には、営業用と自家用があり、積載量に応じて自動車税が設定されています。この記事では、貨物自動車の概要やトラックの自動車税、その他トラックにかかる税について解説します。登録月とトラックのサイズ別に、実際の自動車税がわかる一覧表も掲載しているので、参考にしてみてください。

貨物自動車とはトラックやバンのこと

貨物自動車とは、貨物を運ぶためのトラックやバンのことです。
貨物自動車の多くは営業用に使われ、自家用車として使用ができないわけではありませんが、貨物を運ぶという目的上、「はたらく車」に分類されます。

配達用トラックやバン、建設資材を運ぶためのトラックなどをイメージしてください。

荷室が大きいバンは貨物自動車として登録できる

バン型の車がすべて貨物自動車に分類されるわけではありません。
貨物自動車として登録するには法律で定められた条件があり、この条件を満たし、かつ貨物自動車として届けを出した車が貨物自動車です。バン型の車は、条件を満たした設計になっている場合が多く、貨物自動車として登録されやすくなっています。

トラックやバンの自動車税とは?

自動車税とは、自動車の保有に対してかかる税のことです。原則として、年に一度、毎年5月に支払う義務があり、4月時点で車を所有している人に課税されます。

また自動車の用途を「営業用」か「自家用」か区別し、それぞれ税率が設定されています。各区分内でも排気量や積載量によって細かく税率が分かれており、トラックの場合は積載量が税率設定のポイントです。

トラックなどの自動車にかかる4つの税金

トラックを含む自動車には、自動車税以外にも税金がかかります。
自動車税以外は単独で納める税ではないため、納めている意識が薄いかもしれませんが、実際には4つの税金を納めています。

■トラックにかかる4つの税金

自動車税:自動車の保有にかかる税。自動車の用途、排気量、積載量などに応じて設定される。年に一度支払う。

自動車重量税:自動車の保有にかかる税。車両重量、車種、経過年数に応じて設定される。登録時および車検時にまとめて支払う。

消費税:走行用のガソリン購入にかかる税。ガソリン代と同時に、日常的に支払っている。

燃料税:走行用のガソリン購入にかかる税。ガソリンには消費税の他、燃料税が課せられており、ガソリン代と同時に支払っている。

トラックの年間自動車税一覧表

では、現在保有しているトラックや、購入予定のトラックには、具体的にいくらの自動車税がかかるか、年間の自動車税(標準税率)の金額を一覧表にまとめました。

営業用:大型・中型トラック自動車税

積載量 年間(円) 積載量 年間(円)
6t超 7t以下 25,500 13t超 14t以下 57,700
7t超 8t以下 29,500 14t超 15t以下 62,400
8t超 9t以下 34,200 15t超 16t以下 67,100
9t超 10t以下 38,900 16t超 17t以下 71,800
10t超 11t以下 43,600 17t超 18t以下 76,500
11t超 12t以下 48,300 18t超 19t以下 81,200
12t超 13t以下 53,000 19t超 20t以下 85,900

自家用:型・中型トラック自動車税

積載量 年間(円) 積載量 年間(円)
6t超 7t以下 35,000 13t超 14t以下 78,300
7t超 8t以下 40,500 14t超 15t以下 84,600
8t超 9t以下 46,800 15t超 16t以下 90,900
9t超 10t以下 53,100 16t超 17t以下 97,200
10t超 11t以下 59,400 17t超 18t以下 103,500
11t超 12t以下 65,700 18t超 19t以下 109,800
12t超 13t以下 72,000 19t超 20t以下 116,100

営業用:小型トラック自動車税

積載量 年間(円)
1t以下 6,500
1t超 2t以下 9,000
2t超 3t以下 12,000
3t超 4t以下 15,000
4t超 5t以下 18,500
5t超 6t以下 22,000

自家用:小型トラック自動車税

積載量 年間(円)
1t以下 8,000
1t超 2t以下 11,500
2t超 3t以下 16,000
3t超 4t以下 20,500
4t超 5t以下 25,500
5t超 6t以下 30,000

(引用元:東京都主税局「自動車税種別割」令和4年8月時点)

トラック自動車税3つの節税方法

税率軽減の対象となるトラックに乗り替えれば、トラックの自動車税が節約できます。環境性能や安全性能が高い車に対して、自動車税を含む、車にかかる税金が軽減される制度があるからです。これらの制度を使えば、自動車税や自動車重量税の支払いが通常より安くなる可能性があります。

■トラックの節税につながる3つの制度
・エコカー減税
・グリーン化特例
・先進安全自動車(ASV)特例

注意点は、上記税金の側面からはお得に見えますが、トラックを買い替えるためのコストがかかるため、買い替え費用も念頭に入れておいてください。

では、3つの節税方法をそれぞれ詳しくみていきます。

エコカー減税

エコカー減税とは、エコカー減税対象車に買い替えることで、自動車重量税を節約できます。要件を満たしたトラックの重量税が、25%〜100%軽減される制度です。

エコカー減税の対象となるトラックは以下のとおりです。

■エコカー減税対象車両

・電気自動車
・燃料電池自動車
・天然ガス自動車
・プラグインハイブリッド自動車

グリーン化特例

グリーン化特例とは、排出ガス性能や燃費性能に優れた自動車の自動車税を軽減する制度です。グリーン化特例対象のトラックの場合、自動車税はおおむね75%軽減できます。

また、グリーン化特例では、新車登録から13年以上経過したガソリン車および、11年以上経過したディーゼル車は概ね15%重課税対象になります。古いトラックに乗っている方は、自動車税が上がるまえに買い替えるという選択肢もあります。

グリーン化特例の対象となるトラックは以下のとおりです。

■グリーン化特例対象車両

・電気自動車
・燃料電池自動車
・天然ガス自動車
・プラグインハイブリッド自動車

先進安全自動車(ASV)特例

先進安全自動車(ASV)特例とは、「衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)」「車両安全性制御装置(EVSC)」「車線逸脱警報装置(LDWS)」および「側方衝突警報装置(BSIS)」が搭載されたトラックの自動車重量税と自動車税の減税が受けられる制度です。

(引用元:令和3年度 国土交通省税制改定概要)

まとめ

貨物自動車とは、貨物を運ぶためのトラックやバン型の自動車のことで、正確に判断したい場合は、車検証や登録ナンバーを確認しましょう。

また、トラックには自動車税があり、使用用途と積載量に応じて金額が異なります。

  • 貨物自動車とはトラックやバンのこと。
  • 自動車税の他、自動車重量税、消費税、燃料税がある。
  • トラックの年間自動車税はサイズ別で異なる。 
  • 環境性能や安全性を基準にした節税制度などがある。