新車の耐用年数とは?中古車の耐用年数計算方法と減価償却費の計算方法を解説

トラックを購入する際、中古車と新車のどちらを選ぶとお得になるか迷ってしまいます。新車よりも車両本体の価格が抑えられる中古車は、減価償却の点でも節税につながるのでしょうか。
この記事では、減価償却費用と耐用年数の計算方法、中古車と新車での減価償却の違いなどを解説します。どちらを購入すればいいかの判断材料としてぜひ参考にしてください。

減価償却と耐用年数

減価償却とは?

減価償却とは、固定資産を購入する際に支払った金額を確定申告時、経費として何年かに分けて計上する仕組みのことです。対象となるものは、耐用年数が1年以上で、購入金額が10万円以上のものです。車はもちろん、他には建物やパソコンなどの機械が挙げられます。

上記に該当するものは購入した年に全額経費計上ができないため、減価償却をして何年かに分けて計上する必要があります。

耐用年数とは?

耐用年数とは、固定資産を使用できる標準的な期間のことを指します。つまり、耐用年数によって1年に計上できる減価償却費用が決まってくるということです
また耐用年数は、固定資産の価値を基準とし、資産の種類や構造などによって所得税法や法人税法のなかで細かく定められています。車の場合も、車の種類や新車、中古車などによって耐用年数が変わるため、減価償却をする場合には購入する際に確認しておく必要があります。

中古車の場合は、使用環境や劣化状況には関係なく経過年数をもとに決まった計算式に当てはめて耐用年数を計算するのが特徴的です。なお、10万円未満の中古車の場合は1年で減価償却が可能です。

新車の耐用年数と中古車の耐用年数をそれぞれ詳しく解説していきます。

【新車】耐用年数

新車の耐用年数は、法律で定められており、普通自動車が6年、軽自動車が4年です。

トラックの場合はさらに細かく区分がされており、それぞれの耐用年数は以下の表のとおりです。

種類 耐用年数
自家用トラック 5年
自家用トラック(ダンプ式) 4年
業務用トラック 4年
貨物自動車 5年
貨物自動車(ダンプ式) 4年
業務用トラック小貨物自動車(最大積載量2t未満) 3年
業務用トラックその他の小型自動車(排気量3l以上) 3年
業務用トラックの大型乗用車(排気量3l以上) 5年
被牽引車 4年

【中古車】耐用年数の計算方法

中古車の耐用年数は、経過年数を考慮して算出されるため、新車と比べると短くなり、毎年の減価償却費を多く計上できるのが特徴です。算出して出した年数のうち、1年未満の端数は切り捨てられます。例えば、計算して4.6年となった場合、耐用年数は4年となります。ただし、計算して2年未満となった場合の耐用年数は2年とされます。

また、中古車の場合は、経過年数が新車購入時の耐用年数を過ぎている場合と過ぎていない場合で算出方法が異なるので、それぞれ詳しくみていきましょう。

耐用年数を過ぎていない場合

耐用年数を過ぎていない中古車の場合の計算式は下記になります。

【(耐用年数-経過年数)+(経過年数×20%)=中古車の耐用年数】

(例)新車登録から3年の普通自動車の場合(法定年数:6年)
(6年-3年) + (3年×0.2)=3.6年
※端数は切り捨てなので、上記の車の耐用年数は3年となります。

耐用年数を過ぎている場合

耐用年数を過ぎている中古車の場合の計算式は下記です。

【耐用年数×0.2】

(例)新車登録から7年の普通自動車の場合(法定年数:6年)
6年×0.2=1.2年
※2年未満の場合は2年として扱われるので、耐用年数は2年です。

減価償却費の計算方法

購入する車の耐用年数の把握ができたら、減価償却費が算出できます。算出の仕方は3種類あるので、それぞれ解説していきます。

定額法

定額法とは、取得した価額を耐用年数で均等に割るものです。取得した価格には、自動車税や自賠責保険料なども含まれます。計算式は以下のとおりです。

【車の取得価額×定額法の償却率】

(例)新車登録から15ヵ月の普通自動車を170万円で購入した場合
170万円×0.2=34万円

新車登録から15ヵ月の普通自動車の耐用年数は5年なので、上記の計算式に当てはめて計算します。1年間の減価償却費は56万円と計算できます。

個人事業主の方は基本的に定額法で算出しますが、税務署に定率法への変更届を出すことも可能です。ただし、法人の方も個人事業主の方も定額法や定率法に変更したあと3年間は変更できませんので注意が必要です。

定率法

定率法とは一定の償却率にしたがって減価償却をおこなうものです。定率法の場合、減価償却の累計額をもとに毎年減価償却費用が変わるので、初年度が一番高額となり、年々減っていくのが特徴です。

基本的には、法人の方が減価償却をする際に使用される計算方法です。定率法の計算式は下記になります。

【未償却残高(取得価額-減価償却累計額) × 償却率】

償却率は国税庁によって定められています。

減価償却の耐用年数が終わったトラックはどうなる?

減価償却の最後は、1円の残存簿価が残ります。 そのため耐用年数が過ぎたトラックはそのまま使い続けることが可能です。
※無形固定資産の残存価額は0円です。

耐用年数の長いトラックを購入するとお得になる?

耐用年数の長いトラックを購入すると、減価償却費を減らすことができるためお得になります。そこで購入時は、自分で耐用年数の計算する、もしくは計算に自信のない方は販売店やインターネットを利用すると調べることができます。

具体的な年数を例にあげると、中古車のなかでも経過年数が3年10ヵ月のものは、耐用年数が2年と算出できるため、比較的コンディションのよいトラックの購入が可能です。

さらに、定率法を使って減価償却をする場合は、、耐用年数が2年の償却率は1.000となるため、1年で減価償却ができます。

またトラックのエンジンオイルのチェックやタイヤチェックなどの定期メンテナンス、車両に負担をかけないために急ブレーキや急発進をしないように丁寧な運転をこころがけるなど、トラックの車両本体を長持ちさせる工夫をすることをおすすめします。

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まとめ

減価償却と耐用年数について解説しました。減価償却の際は、耐用年数が重要となります。また新車と中古車では耐用年数が違い、減価償却の期間を短くできるという点で中古車が節税にはおすすめです。

  • 新車の耐用年数は決まってるが、中古車の耐用年数は経過年数と合わせて計算して算出する
  • 中古車を減価償却する際は事業年度の最初の月に購入すると節税になる
  • 社用車をプライベートでも使用している場合、減価償却の割合が減ってしまう可能性がある
  • 定率法を使うと1年で償却できる約4年落ちの中古車がおすすめ