トラックドライバー必見!速度違反に使用するNシステムと見落としがちな道路標識を徹底解説!
トラックドライバーが、高速道路で見かけるNシステムや運転時に目にする標識の用途や意味を、正しく理解できている方はどのくらいいるでしょうか?どちらも理解を深めることで、違反防止や事故防止ができます。今回は、Nシステムの役割やオービスとの違い、道路標識を画像つきで解説します。交通ルールを守って、自信を持ってトラックを運転するための参考にしてください。
システムとは?
Nシステムとは、全国の道路の1500カ所以上に設置され、通過した車両すべてのフロントナンバープレートを撮影しています。
正式名称は「自動車ナンバー自動読取装置」で、以前は車のナンバーしか読み取れませんでしたが、最新のNシステムではオービス同様、運転している人の顔の撮影も可能となりました。 高速道路では目立つのでわかりやすいですが、他にも主要な国道や空港、原子力発電所の付近などにも設置されています。
Nシステムの使用目的は犯罪時の無人検問
Nシステムは、犯罪捜査に使用されており、無人検問を目的として開発されました。有人で検問をおこなうこともありますが、人の力だけでは全車両を確認できません。 しかし、それでは事件に対応できないため「無人でかつすべての車両を見逃さないように」とNシステムが導入されました。
Nシステムの撮影範囲は、カメラの眼下だけではなく、路肩を含む道路上のすべての車両が撮影されています。オービスの場合、撮影範囲は割と狭く、運転席や助手席の撮影がメインですが、犯罪捜査を目的としたNシステムでは、車両が通行する場所以外もすべて撮影されています。
また、警察の手配車両リストと撮影したナンバー(車両の形状や色などの情報も)を自動的に照会することで、即座に該当の車両を発見し速やかな事件解決につながります。 実際に、2017年に起きた「東名高速夫婦死亡事故」や2020年以降、社会問題となりつつある「あおり運転」の捜査に使われたことからも、無人検問として十分機能しています。
Nシステムとオービスの違い
①Nシステムは速度計測ができない
1つ目の違いは、Nシステムは速度計測ができず、オービス速度計測が可能です。 またオービスは、Nシステムとは違い、設置場所を通過する前に看板が設けてあるため、設置場所の事前把握が可能です。
②Nシステムは撮影時に光ることがない
2つ目の違いは、Nシステムは光を放つことなく撮影しています。一方でオービスは、撮影時、赤もしくは白の強い光を放ちます。
Nシステムが光らない理由は、フラッシュを必要としない赤外線カメラを使用しており、目には見えませんが、ドライブレコーダーには光が映ることがあります。 そのため、Nシステムの眼下を通行しても何も起こりませんが、しっかり撮影されていることを、覚えておきましょう。
③Nシステム横には、パトライトが付いていない
3つ目の違いは、Nシステムとオービスは大変似たような形をしていますが、Nシステムのカメラ横にはパトライトが付いていません。
オービスの形は数種類あり、なかにはNシステムとの違いがはっきりしているものもあります。しかし、数年の間はNシステムに似ているLHシステム型のオービス(画像のオービス)が増えつつあるので、形ではなくパトライトで判別するのがわわかりやすい方法です。
ただ、道路脇に設置する移動式のオービスに関しては見分けることは大変困難です。心配な方は、警察のホームページで取り締まりの事前告知の確認をおすすめします。
(引用元:Wikipedia)規制標識|道路標識の種類と意味
次に、見落としがちなトラックに関連する道路標識のうち、「規制標識」を説明していきます。
規制標識とは、車両の通行や速度などを制限、禁止する標識です。 普通自動車運転時とトラック運転時では、注意すべき標識の種類が異なります。では、トラック運転時に特に意識しておくべき標識の意味や、よくある間違いを紹介します。
大型貨物自動車通行止め・危険物積載車両通行止め
標識の名称 | 標識の意味 | 適用される車両 |
大型貨物自動車通行止め | 適用される車両の通行ができない |
・大型貨物自動車 |
積載量3t以上の大型貨物自動車通行止め |
・大型貨物自動車 ・特定中型貨物自動車 ・大型特殊自動車(積載量3t以上の自動車に限る) |
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危険物積載車両通行止め | ・高圧ガス、毒劇物などの危険物を運搬もしくは輸送するトラックやタンクローリーなど |
大型貨物自動車通行止め(補助標識なし)
「大型貨物自動車通行止め」の標識はの図表(青色トラック)が表しているのは、大型貨物自動車、特定中型貨物自動車、大型特殊自動車の3種類です。図表の形や標識の名称から、適用される車両の範囲が間違いやすくなっています。
■よくある間違い
・図表の形から、すべてのトラックに適用されると思い込む
・標識の名前から、大型貨物自動車だけに適用されると思い込む
大型貨物自動車通行止め(積載量指定の補助標識あり)
「大型貨物自動車通行止め」の標識は、積載量を指定するための補助標識が付いたタイプです。
大型貨物自動車通行止めの標識を含む、各本標識に積載量が記載された補助標識が付いている場合があります。この場合、本標識の内容が、補助標識記載の積載量以上の自動車に限定されます。また、ここで表している積載量とは、トラックの最大積載量のことです。
画像の場合は「積3t」とあるので、大型貨物自動車、特定中型貨物自動車、大型特殊自動車であっても、最大積載量3トン未満の場合、通行できます。
■よくある間違い
・積載量3トン以下のトラックに適用されると思い込む
危険物積載車両通行止め
「危険物積載量通行止め」の標識は、危険物を運搬、輸送するタンクローリーのドライバーは注意が必要です。
危険物積載車両通行止めの標識は、水底トンネルや、国土交通省令で定められたトンネルに設置されています。適用車両は、この標識があるトンネルの通行ができないため、迂回しなければなりません。
この標識が設置されている場所は限られており、日本高速道路保有、債務返済機構の「水底トンネル等における危険物積載車両の通行禁止・制限」から確認できます。ドライブルート設定の参考にしてみてください。
(引用元:道路交通法 第四十六条)重量制限・最大幅・高さ制限
標識の名称 | 標識の意味 | 適用される車両 |
重量制限 | 適用される車両の通行ができない | 車両総重量が標識の重量以上の車両 |
最大幅 | 車両の幅(積載荷物が車幅より長い場合は荷物の幅)が標識の示す幅より大きい車両 | |
高さ制限 | 車両の高さ(積載荷物が車幅より長い場合は荷物の幅)が標識の示す幅より大きい車両 |
重量制限
「重量制限」の標識が表している重さは、車両総重量です。最大積載量ではないので、間違えないようにしましょう。 車両総重量とは、車と人と荷物の合計です。わからない場合は、車検証から確認できます。また、重量制限はトラックだけでなく、すべての車両に適用される標識です。
■よくある間違い
・最大積載量を表していると思い込む
・トラック以外の車両には適用されないと思い込む
最大幅
「最大幅」の標識は、市街地や歓楽街などに設置されている標識です。このような狭い道路を通行する場合は、最大幅の標識を注意深く確認しておきましょう。 最大幅と似ている標識に「高さ制限」があります。これらの違いは、赤い円内の扇形の方向です。最大幅は数字の左右、高さ制限は数字の上下に青色の扇形が表示されています。
■よくある間違い
・高さ制限の標識と混同する
積載荷物の幅を考慮せず通行してしまう
高さ制限
「高さ制限」の標識は、トンネルの入り口や高架橋下に設置されることが多いです。 大型トラックの場合、車両の高さにより通れないトンネルなどがあります。運転しているトラックの高さを把握し、この標識が設置されている道路や、標識はないが天井が低い道路で通行できるかどうか判断できるようにしましょう。
■ よくある間違い
・最大幅の標識と混同する
・積載荷物を考慮せず通行してしまう
特定の種類の車両の通行区分
標識の名称 | 標識の意味 | 適用される車両 |
特定の種類の車両の通行区分 | 適用される車両は左から一番目の車両通行帯を通行しなければならない |
・大型貨物自動車 ・特定中型貨物自動車 ・大型特殊自動車 |
「特定の種類の車両の通行区分」の標識は、通行できる道路交通帯を指定する標識です。 画像の場合は、大型貨物自動車通行止めの標識と同じ「大型貨物自動車・特定中型貨物自動車・大型特殊自動車」を表すトラックの図表が用いられているので、上記に該当する車両は指定の通行帯を通行しなければなりません。
■よくある間違い
・図表の形から、すべてのトラックに適用されると思い込む
補助標識|道路標識の種類と意味
補助標識とは、本標識の内容を限定するために、本標識とともに用いられる標識です。 トラックを運転する際、積載量や車両の規格によってさまざまな制限があります。正しく判断するために、理解しておくべき代表的な補助標識2つを紹介します。
車両の種類B(トラックの絵柄)・種類C(最大積載量の制限)
車両の種類B(トラックの絵柄)
本標識に、この補助標識が付いている場合、本標識の内容が該当する車両は、上記に限定されます。頻繁に見かける標識ですが、文字の表記がないため、標識が表す内容を覚えておくことをおすすめします。
■絵柄が表す車両
・大型貨物自動車
・特定中型貨物自動車
・大型特殊自動車
車両の種類C(最大積載量の制限)
車両の最大積載量に制限を設けるための補助標識です。
本標識にこの補助標識が付いている場合、本標識の内容が、補助標識に記されている積載量以下の車両に限定されます。
案内標識|道路標識の種類と意味
案内標識とは、目的地への経路や方向、道路の情報などを表す標識です。トラックが注意するべき標識として代表的な2種類を紹介します。
総重量限度緩和指定道路・高さ限度緩和指定道路
標識の名称 | 標識の意味 |
総重量限度緩和指定道路 | 総重量が標識に表示されている重さを超える車両が通行できる |
高さ限度緩和指定道路 | 標識に表示されている高さを超える全高4.1メートルまでの車両が通行できる |
総重量限度緩和指定道路
「総重量限度緩和道路」の標識は、標識自体の形状によって意味が異なります。 それぞれ、何を意味しているのか正しく覚えておきましょう。また、標識が表しているのは、最大積載量ではなく総重量です。混同しないよう注意してください。
■よくある間違い
・標識が表す重さが車両総重量ではなく、最大積載量だと思い込む
高さ限度緩和指定道路
「高さ限度緩和指定道路」の標識は、一般道路に設置するものは青、高速道路に設置するものは緑色をしています。青字もしくは緑字で「3.8m超」と表示されています。
まとめ
記事では、トラックドライバーが注意するべきNシステム、道路標識について解説しました。まずNシステムの役割やオービスとの違いがわわかれば安心して運転できますし、Nシステムは何かあったときに強い味方にもなります。また、トラックの各標識は意味がそれぞれ異なるため正確に覚えておきましょう。
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- Nシステムは、正式名称は「自動車ナンバー自動読取装置」といい、通過した車両すべてのナンバープレートを撮影する
- Nシステムは、速度計測機能やパトランプがなく、撮影時に光らない
- トラックの標識には、規制標識、補助標識、案内標識がある
- 各標識の意味や適用される車両が間違いやすいため、覚えておくと違反や事故防止につながる